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「 夢の中の光 蝶 」
2001年 金箔、膠、石膏、ニス、パネル 60.5×47㎝
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「 夢と光の家 」展示風景
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「 蝶の夢 」 2012年
作品が展示された空間に生まれる価値とは作品と観賞者との間に委ねられるものであり、それは制作する側の意図 を離れた所にあるものです。これらの作品はそのための効 果的な表現を模索する中で生まれた一つの様式によるものです。 まず、私は明確でシンボリックな形として対象を表すことを意識します。“形”は直接的な主張として観賞者に認識される要素です。完結した表現の定着として作品に自立を 形成するために、表現を明確な形として打ち出したいと考えています。そして制作においては工芸的な“物造り”を 意識し、主に西洋の古典技法を用いています。これは表現 を明確な形として打ち出し、“物”として完成させることで『その“物”が存在することにより整えられる空間』、『その“物”が鑑賞者と対峙することにより起こる意識の 流れや繋がり』といった、空間を構成する価値を生みだす 事を目的としているからです。 また、個人的な主張や観念、世界観などの“主観”から表現するのではなく、無意識の内に現れるイメージや直感的 に見る“そこにあるべき形”をさぐり、具体的な形を見つけ出すように努めます。造型の対象となるイメージを私の中から意識的に作り出すのではなく、すでに確立された存在として把握できれば純粋に物造りの行為としての制作に 徹する事ができると考えているからです。これは私自身、どこか形而上的な世界へのアプローチのようにも感じています。
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